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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻1号

1990年01月発行

文献概要

TOPICS

ホスホエタノールアミン

著者: 片岡洋行1

所属機関: 1岡山大学薬学部衛生化学

ページ範囲:P.96 - P.97

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 ホスホエタノールアミン(PEA)は,リン脂質代謝の重要な中間体であり,動物の組織や体液中に広く存在することが知られている.
 PEAの生理的意義については,リン脂質の構成成分としての役割を除いて十分解明されていないが,ラット乳癌細胞に対して増殖促進作用1)あるいは増殖阻害作用2)を示すことや,造血機能に対する生理的な抑制因子として作用している可能性3)が示唆されている、また,アルカリホスファターゼ活性低下を伴う低リン酸酵素症4)や代謝性骨障害5))の患者の尿中にPEAが多量に排泄されることから,これらの疾患の生化学的指標となっている.また最近,アルツハイマー病(AD)やハンチントン舞踏病(HD)患者の脳内PEA含量が病変の好発する領域で著しく減少していることが認められ,注目されている6).そこで本稿では,PEAとADおよびHDの病因との関連性に関する知見について紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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