文献詳細
学会印象記 第36回日本臨床病理学会総会
医療全般から見た臨床検査の再検討―経験主義から統合的選択へ,医学判断学の登場!!/新たな試みに満ちた充実の3日間
著者: 野口英郷1
所属機関: 1自治医科大学臨床病理
ページ範囲:P.102 - P.103
文献概要
総会会長講演は「calpainとcalpastatin」であった.calpainはCa2+で活性化されるSH基を持ったプロテアーゼの総称で,細胞内ペプチド鎖の限定分解を担う非リソソーム・プロテアーゼであり,calpastatinはcalpainに特異的に作用する細胞内在抑制因子の総称であって,両者とも細胞内に局在して,calpain―calpastatin系という一種の生体制御系を形成している.calpainにはⅠ型とⅡ型,calpastatinには組織型と赤血球型というそれぞれ2種ずつのアイソエンザイムが存在する。両者ともほとんどすべての動物細胞に分布しているが,それらの含有量には組織細胞の種類により大差がある.この事象の意義の解析は今後の課題である.
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