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特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド 総論 1 代謝と生理
1)水
著者: 長坂昌一郎1 斉藤寿一1
所属機関: 1自治医科大学内分泌代謝科
ページ範囲:P.1274 - P.1280
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1.水の分布と出納
1)水の分布
人間の体内に含まれている水は,体重の約60%を占める.この比率は乳幼児では若干高く,老人では低い.また肥満者など脂肪組織の割合の大きいものでは,この比率は低く,また女性では男性よりも低い.このように水の占める割合には若干の個体差があるが,各個体についてみると,恒常性維持機構によりほぼ一定に保たれている.
体内の水は,細胞内液と細胞外液に大別される.細胞内液は体重の40%を,細胞外液は体重の20%をそれぞれ占める.細胞外液はさらに,血漿(水)と,組織間液(間質液)に分けられる(表1).細胞内・外液の浸透圧(osmolality)はいずれも,およそ290mOsm/kgH2Oである.これは,細胞内外の水が,細胞膜を介して速やかに移動するためである.
1.水の分布と出納
1)水の分布
人間の体内に含まれている水は,体重の約60%を占める.この比率は乳幼児では若干高く,老人では低い.また肥満者など脂肪組織の割合の大きいものでは,この比率は低く,また女性では男性よりも低い.このように水の占める割合には若干の個体差があるが,各個体についてみると,恒常性維持機構によりほぼ一定に保たれている.
体内の水は,細胞内液と細胞外液に大別される.細胞内液は体重の40%を,細胞外液は体重の20%をそれぞれ占める.細胞外液はさらに,血漿(水)と,組織間液(間質液)に分けられる(表1).細胞内・外液の浸透圧(osmolality)はいずれも,およそ290mOsm/kgH2Oである.これは,細胞内外の水が,細胞膜を介して速やかに移動するためである.
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