文献詳細
特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
総論 1 代謝と生理
文献概要
基礎理論
1.酸・塩基平衡異常とは
体液のpH(水素イオン濃度の表現法の一つ)は常に一定の狭い範囲に保たれている.これは生体が示す恒常性(homeostasis)の一つであり,生体のpHはナトリウムイオン(Na+),カリウムイオン(K+),塩素(クロール)イオン(Cl-)などほかの電解質と同じように,細胞外液,特に血液による動的な調節維持機構によって保持されている.
生体のpHを考える場合,本来は細胞内液のpHと細胞外液のpHとに分けなければならないが,臨床医学では観察の対象が血液のpHに限られているので,特に断わりがない場合にpHは血液のpH,しかも動脈血のpHを指していることになる.動脈血が選ばれるのは,静脈血では特定部位の組織の代謝やガス交換を反映しているし,肺におけるガス交換の状態を把握しにくいからである.
1.酸・塩基平衡異常とは
体液のpH(水素イオン濃度の表現法の一つ)は常に一定の狭い範囲に保たれている.これは生体が示す恒常性(homeostasis)の一つであり,生体のpHはナトリウムイオン(Na+),カリウムイオン(K+),塩素(クロール)イオン(Cl-)などほかの電解質と同じように,細胞外液,特に血液による動的な調節維持機構によって保持されている.
生体のpHを考える場合,本来は細胞内液のpHと細胞外液のpHとに分けなければならないが,臨床医学では観察の対象が血液のpHに限られているので,特に断わりがない場合にpHは血液のpH,しかも動脈血のpHを指していることになる.動脈血が選ばれるのは,静脈血では特定部位の組織の代謝やガス交換を反映しているし,肺におけるガス交換の状態を把握しにくいからである.
掲載誌情報