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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻11号

1990年10月発行

文献概要

特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド 総論 1 代謝と生理

4)酸・塩基平衡

著者: 石田尚志1 小澤定延1 若山孝1 福村正1 外山勝英1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学第一内科

ページ範囲:P.1293 - P.1301

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基礎理論
1.酸・塩基平衡異常とは
 体液のpH(水素イオン濃度の表現法の一つ)は常に一定の狭い範囲に保たれている.これは生体が示す恒常性(homeostasis)の一つであり,生体のpHはナトリウムイオン(Na),カリウムイオン(K),塩素(クロール)イオン(Cl)などほかの電解質と同じように,細胞外液,特に血液による動的な調節維持機構によって保持されている.
 生体のpHを考える場合,本来は細胞内液のpHと細胞外液のpHとに分けなければならないが,臨床医学では観察の対象が血液のpHに限られているので,特に断わりがない場合にpHは血液のpH,しかも動脈血のpHを指していることになる.動脈血が選ばれるのは,静脈血では特定部位の組織の代謝やガス交換を反映しているし,肺におけるガス交換の状態を把握しにくいからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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