icon fsr

雑誌詳細

文献概要

特集 各論 1 生体に必要な元素

1)ナトリウム(Na),カリウム(K)

著者: 関口光夫1

所属機関: 1日本大学板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.1384 - P.1393

測定の意義
1.ナトリウム(Na)
1)生体内の分布,存在様式,摂取・排泄1)
 生体内のナトリウム(Na)量は,体重1kg当たり約40~70mmol含まれる.したがって,体重60kgの成人では総Na量は2,400~4,200mmol含有することになる.その約55%が骨を除く細胞外液に,約43%が骨に,約2%が細胞内液に分布している.しかし,骨に含まれているNaの約60%がリン酸カルシウムなどと結合した塩の形で存在するので,その約60%は難溶性で遊離しにくい.これ以外が代謝的に活性な交換性(exchangeable) Naであり,総Na量の約74%を占めている.交換性Naの97%は細胞外液中に存在している.
 Naは塩化ナトリウム(NaC1)として食事から摂取される.成人の1日必要量は5~15gといわれていたが,最近,高血圧との関連で食塩の過剰摂取はよくないために,10g以下にすることが好ましいとされている.いま,1日10gの食塩摂取量をNa量で表現すると170mmolとなる.一方,その排泄の大部分は腎臓からで,一部糞便からである.1日当たり腎臓からは約160mmolが,糞便中から10mmol以下が排泄され,バランスが保たれている.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?