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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻11号

1990年10月発行

文献概要

特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド 各論 1 生体に必要な元素

9)セレン(Se)

著者: 井村敏雄1 黒田満彦1

所属機関: 1福井医科大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1423 - P.1426

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はじめに
 セレン(Se)は,地球上に広く存在する元素であるが,地域差がみられ,ニュージーランドや中国の一部の土壌中のSe含量は著しく低いことが知られている.このような地方では,植物中のSe含量も低く,これを食物とする家畜などのSe欠乏状態が問題となっている.さらに,これらの地方を中心にヒトのSe欠乏症も報告されている1~4).一方,Se含量の多い鉱山などでは,Seの生体に対する毒性が問題となったこともあるが1),管理対策の整備などにより今日ではあまり実際の問題とはなっていない.
 Seは,生体の抗酸化作用に関係するグルタチオンペルオキシダーゼ(以下,GSHPxと略す)を構成する必須微量元素の一つであり,ヒトのSe欠乏状態と発癌,動脈硬化症などとの関係に主な関心が移っている現状といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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