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特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド 各論 2 公害性・医原性金属
7)アルミニウム(Al)
著者: 野本昭三1
所属機関: 1信州大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.1466 - P.1468
文献購入ページに移動はじめに
人体のアルミニウム(A1)代謝に特別の関心が寄せられるようになったのは,透析患者における脳症,脳軟化症,貧血などの中にA1の慢性中毒によるもののあることが指摘されたことからと考えられる1~2).
A1は地球表層では酸素,珪素に次いで3番具に多い元素であるから,ヒトを含めたあらゆる地球上の生物は,常時A1と接した環境で生活し進化してきたはずで,A1に対する生理的防御能を持たない,または持てなかった生物は今日まで存続しえなかったろうと考えるのが自然である.このようなA1と生体のかかわりをみるうえでもう一つ重要なことは,A1が酸素,珪素およびリン酸などと結合した形で安定で,金属単体の形で生物と接することは少なかったであろうと考えられることである.そのためか,現在生存している動植物細胞内のAlは極めて微量にとどまっており,動植物における必須性も確認されていない.
人体のアルミニウム(A1)代謝に特別の関心が寄せられるようになったのは,透析患者における脳症,脳軟化症,貧血などの中にA1の慢性中毒によるもののあることが指摘されたことからと考えられる1~2).
A1は地球表層では酸素,珪素に次いで3番具に多い元素であるから,ヒトを含めたあらゆる地球上の生物は,常時A1と接した環境で生活し進化してきたはずで,A1に対する生理的防御能を持たない,または持てなかった生物は今日まで存続しえなかったろうと考えるのが自然である.このようなA1と生体のかかわりをみるうえでもう一つ重要なことは,A1が酸素,珪素およびリン酸などと結合した形で安定で,金属単体の形で生物と接することは少なかったであろうと考えられることである.そのためか,現在生存している動植物細胞内のAlは極めて微量にとどまっており,動植物における必須性も確認されていない.
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