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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻11号

1990年10月発行

文献概要

特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド 各論 2 公害性・医原性金属

9)ゲルマニウム(Ge)

著者: 森田秀芳1 下村滋2

所属機関: 1徳島大学医療技術短期大学部 2徳島大学薬学部

ページ範囲:P.1472 - P.1475

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はじめに
 ゲルマニウム(Ge)は原子番号32番,原子量72.61の炭素族元素(4B族)の一つである.地殻中存在量は約2ppmで,海水中には0.05ppb程度存在する.
 食品中の濃度については,SchroederとBalassaが非常に多数の魚介類,食肉,穀物,野菜,飲み物,果物などについて報告している1).それによれば,ほとんどすべての食品に0.15~2μg/g含有され,Geの1日当たりの摂取量は約1,500μgであるとしている.しかし,最近の注意深い研究2,3)により推察される食品中のGe濃度は非常に低く,多くの場合,検出限界以下である.したがって,SchroederとBalassaの報告値をそのまま日本の食品に当てはめることはできないと考えられる.なお,今のところGeの動植物に対する必須性は認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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