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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻11号

1990年10月発行

文献概要

特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド 各論 3 ホルモン・生理活性物質

3)抗利尿ホルモン(ADH)

著者: 小島元子1 福地総逸1

所属機関: 1福島県立医科大学第三内科

ページ範囲:P.1489 - P.1494

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はじめに
 抗利尿ホルモン(antidiuretic hormoneあるいはvasopressin,以下ADHと略)は,オキシトシンとともに下垂体後葉の代表的ホルモンである.ADHの最も重要な作用は,腎の集合尿細管を標的臓器とする抗利尿作用である.すなわち,ADHにより,腎尿細管における水の再吸収が起こり,尿量が減少し,尿の浸透圧が上昇する.
 ADH欠乏状態では,多尿,口渇および多飲が起こり(尿崩症,あるいは中枢性尿崩症),ADHが不適切に過剰に分泌されれば血漿成分が希釈されて低ナトリウム(Na)血症および低浸透圧血症(ADH不適合分泌症候群,syndrome of inappropriate secretion of ADH;SIADH)をきたす.このほか,ADHの分泌は正常であるが,レセプター異常により欠乏症状を呈する疾患(腎性尿崩症)がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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