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わだい
眼球中の金属動態
著者: 石川弘1
所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1567 - P.1568
文献購入ページに移動さて,眼におけるZnの働きを臨床例で最初に報告したのはPrasadであり,2例の栄養性Zn欠乏症で夜盲と視力低下を指摘した.当時,これらの視機能障害の発現機序は不明であったが,その後の研究により次のように考えられている.すなわち,網膜の感光物質であるロドプシン(視紅)は,活性型ビタミンAであるレチナールから合成される.このレチナールは,網膜内でアルコール脱水素酵素の働きにより,肝臓から運ばれてきた循環型ビタミンAであるレチノールから変換される.このアルコール脱水素酵素はZnをコファクター(cofactor)としているので,Zn欠乏が生じると活性が低下し,レチノールからレチナールへの変換が阻害され,夜盲や視力低下が出現する.さらにZnは,ビタミンA輸送蛋白であるレチノール結合蛋白の肝臓内での合成にも関与することから,これらの視機能障害の発現には,Zn欠乏によるビタミンAの減少も加わるものと考えられる.
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