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腎臓病の病理・12
移植腎,他
著者: 坂口弘1 緒方謙太郎1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.1768 - P.1776
文献購入ページに移動 子癇前症は妊娠後期に,高血圧,蛋白尿,浮腫をもって発症するが,糸球体には,内皮,メサンギウム細胞の腫大がみられ,毛細管腔内は狭くなっているのが特徴である.移植腎における拒絶反応には,超急性,急性(血管性,間質性),慢性拒絶反応がある.このうち,急性間質性拒絶反応は,細胞性免疫によるが,治療に反応しやすい.超急性,急性血管性拒絶反応は,主として液性免疫によって移植臓器に壊死性血管炎を引き起こす予後不良なものである.慢性拒絶反応は,急性拒絶反応の末期像と考えられており,特定の病因の上に論ぜられる独立した概念ではない.一方,臓器移植に際して用いられるシクロスポリンは,腎毒性を有しており,拒絶反応との鑑別が重要である.
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