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Vasoactive Intestinal Peptide
著者: 間中英夫1 佐々木英夫1
所属機関: 1山形大学第三内科
ページ範囲:P.1777 - P.1777
文献購入ページに移動 Vasoactive Intestinal Peptide (VIP)は,1970年SaidとMutt1)によりブタ消化管から単離精製された,28個のアミノ酸残基が直鎖状につながっているペプチドである.VIPのアミノ酸配列は種属により多少の差異があるがヒトとブタは同一である.また,1983年には,VIPのmRNAの塩基配列からVIP前駆体は170個のアミノ酸から構成されていることが明らかになり2),VIP以外の部位ではPHIなどの活性物質が含まれ種属により一部のアミノ酸が異なっている.VIPの存在する臓器は,消化管以外にも,膵臓,脳・脊髄などの中枢神経系,肺,生殖器などと広範囲に存在する.組織内ではVIPは神経細胞あるいは,神経線維に存在して伝達物質として作用する.VIPの作用研究は,一般にVIP合成品を用いて行われている.確認されたVIPの作用は,多彩であり,消化管においては,消化管平滑筋の弛緩および腸液分泌亢進作用,胃酸分泌抑制,膵臓においてインスリン分泌亢進,膵液分泌亢進作用,肺においては,気道拡張作用,血流では,内臓血流増加,陰茎の輸入動脈血流増加,脳においては,下垂体からのプロラクチン分泌刺激,また,代謝に関しては,肝臓の糖新生を促進させブドウ糖放出を増加させる.
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