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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻13号

1990年12月発行

文献概要

TOPICS

血管平滑筋収縮における調節蛋白

著者: 日和田邦男1

所属機関: 1愛媛大学第二内科

ページ範囲:P.1778 - P.1779

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 筋肉の収縮はミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの相互作用によって生じる.筋肉収縮のカルシウム調節機構に関して,骨格筋と平滑筋とでは非常に異なっていると認識されていた.骨格筋におけるミオシンとアクチンの相互作用はアクチンフィラメント上に結合して存在するトロポニン―トロポミオシン系によって調節されている.一方,脊椎動物の平滑筋にはトロポニンあるいはトロポニンに相当する蛋白の存在は確認されていなかった.そこで,平滑筋のミオシンとアクチンの相互作用はミオシン軽鎖のカルシウム依存性のリン酸化によって調節されていると考えられてきた(ミオシンリン酸化説).しかし,最近の平滑筋研究から,平滑筋の収縮もミオシン側とアクチン側の両者の調節系によって制御されていると考えられるようになった.
 平滑筋の収縮張力発生に際し,平滑筋のアクチンフィラメントも骨格筋のそれと同様に協同的な挙動を示すことが明らかにされ,平滑筋のアクチンフィラメントに結合しているトロポミオシンの機能とその機能を制御する調節蛋白の存在が示唆されていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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