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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻2号

1990年02月発行

文献概要

編集者への手紙

コロイド銀液(Ag-NORs染色液)による真菌染色法

著者: 引野利明1 中島孝1

所属機関: 1群馬大学医学部第二病理学教室

ページ範囲:P.220 - P.221

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 核小体にはDNAの大きなループ構造があり,そこではRibosomal RNA (rRNA)遺伝子がRNAポリメラーゼにより次々と転写され,rRNAの合成が行われている.この部分はNucleolar Organizer Regions(NORs)と呼ばれ1),強い銀親和性を持つことが知られている.NORsの銀親和性はこの領域に存在する銀親和性蛋白によるもので,通常のパラフィン切片でもコロイド銀液を使用すると細胞核内に点(dot)状にNORsを染めだすことができる2).このNORsの形状や数は一般に細胞の活性に反響し1),核小体の増加や悪性細胞でしばしばその数を増すとされている3)
 私どもはこのコロイド銀液によるAg-NORs染色を行った際,NORs以外にも組織内に増殖した真菌が濃く明瞭に染め出されることを知った.以下,簡単に紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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