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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻3号

1990年03月発行

文献概要

研究

免疫組織化学法を利用した全血塗抹標本の細胞分類について―Biotin-Strept-Avidin Complex Alkaline Phosphatase標識new fuchsin法による検討(第1報)

著者: 永井淳一1 鈴木弘文1 永倉隆夫1 坂井慶子1 片平宏1

所属機関: 1神奈川県立こども医療センター検査科

ページ範囲:P.353 - P.357

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 免疫組織化学法において,標識酵素にAlkaline Phosphatase (ALP)を使用すると,良好なカラーコントラストが得られるものの,反応物質が退色してしまうことが問題であった.しかし,naphthol AS-BIphosphoric acidを基質としhexazotized new fuchsinをカップラーとしてALP反応を行うと,その反応物質は退色しないことが報告された.われわれはBiotin-StreptAvidin Complex法にこの原理を応用し,全血塗抹標本における免疫学的細胞分類を試みた.固定はBuffered Formalin Aceton (BFA)4℃30秒固定を中心に行い,CD分類上期待する結果が得られない場合若干の改良を試みた.顆粒球系抗原のCD 13,CD 16は内因性のALP活性を阻害するために,添加するレバミゾールの使用量により反応が左右された.レバミゾールの終末濃度は0.1~0.3mmol/lで良好な結果が得られた.CD 33は今回検討した固定液とレバミゾール濃度からは陽性像は得られなかった.B細胞系抗体ではBFAのアセトン終末濃度が40へ30%で比較的良好な結果が得られた.T細胞系と血小板系抗体はBFA固定で良好な結果が得られた.本法は美しいカラーコントラストが得られ永久標本になること,また内因性ALP活性もレバミゾールで容易に阻害でき,細胞形態の保存性も良好なこと,また反応液に長時間つけておいても染色結果に差がないなどの利点があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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