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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻4号

1990年04月発行

文献概要

今月の主題 結核菌と非定型抗酸菌をめぐって 話題

―抗酸菌の迅速同定―α抗原について

著者: 田坂博信1

所属機関: 1広島大学医学部細菌学教室

ページ範囲:P.435 - P.437

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 α抗原は遅育抗酸菌に広く分布する分子量約30000ダルトンの相同蛋白質である.相同蛋白質のアミノ酸配列は各蛋白質に共通な部分と進化の過程で変異した部分とによって構成されている.α抗原の場合には変異の程度がspeciesまたはcomplexとよく相関しているので,変異したアミノ酸配列の部分の抗原決定基を血清学的に検出することによって菌株の同定を,確実に,簡単にしかも迅速に行うことができる.
 今までに明らかにされた特異性はM. kansasii,M. marinum,M. scrofulaceum,M. gordonae,M. szulgaiおよびM. malmoenseでは,speciesspecificであり,M. avium complex(M. avium-M. intracellulare)およびM. tuberculosis complex(M. tuberculosis-M. bovis-M. microti)においてはcomplex specificである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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