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熱ショック蛋白質と免疫応答
著者: 平芳一法1
所属機関: 1京都大学胸部疾患研究所
ページ範囲:P.474 - P.475
文献購入ページに移動 熱ショック蛋白質(Heat Shock Protein;HSP)は,生体がその生存にとって危険な状態にさらされた時に誘導されてくる蛋白質であり,バクテリアからヒトに至るまで種を越えて非常によく保存されている.温度の上昇だけでなく,重金属,pHの変化,低酸素状態やウイルスの感染によっても誘導されることから,最近ではストレス蛋白質と呼ばれることもある1).発見された当初HSPは,熱により特異的な誘導を受けることから,遺伝子発現のモデルとして研究されてきた.しかし,あらゆる生物に存在し,非ストレス条件下でも少量ながら発現されていること,バクテリアや酵母では突然変異によるHSPの欠失が致死的に働くことなどから,正常な細胞内でも重要な役割を担っている可能性があり,多くの細胞生物学者の注目も集めるようになった.その結果,主要なHSPであるHSP 70は蛋白質の高次構造形成や細胞内輸送に関与し,HSP 90はグルココルチコイドリセプターと共役していることなどが明らかになった.さらに,この1~2年,免疫学の分野からも注目されつつある.今回は,HSPと免疫反応について少し紹介させていただこう.
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