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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻5号

1990年05月発行

文献概要

今月の主題 生殖 総説

生殖免疫

著者: 竹内正七1

所属機関: 1帝京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.515 - P.520

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 卵性生殖から哺乳生殖へと生殖形態の進化において,母親の胎内で,異なるMHC抗原をもつ胎児を宿し,生育させるためには,免疫的拒絶反応から免れる必要があった.その解決として,胎児と母体との間に胎盤を形成したと考えられる.胎盤は同じ胎児組織であるが,母体に接しているのは絨毛細胞(トロボブラスト)で,生着に有利な免疫的特性をもっている.
 トロホブラストはMHC抗原が少ないので,免疫的拒絶反応を誘導しないばかりではなく,新しいMHC抗原を表現して,遮断抗体やサプレッサー細胞を誘導し,免疫的拒絶を起こりにくくしている.さらに,この免疫反応はトロホブラストの増殖因子を産生し,免疫的に胎盤形成を促進している可能性も示唆されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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