文献詳細
文献概要
今月の主題 生殖 総説
生殖免疫
著者: 竹内正七1
所属機関: 1帝京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.515 - P.520
文献購入ページに移動 卵性生殖から哺乳生殖へと生殖形態の進化において,母親の胎内で,異なるMHC抗原をもつ胎児を宿し,生育させるためには,免疫的拒絶反応から免れる必要があった.その解決として,胎児と母体との間に胎盤を形成したと考えられる.胎盤は同じ胎児組織であるが,母体に接しているのは絨毛細胞(トロボブラスト)で,生着に有利な免疫的特性をもっている.
トロホブラストはMHC抗原が少ないので,免疫的拒絶反応を誘導しないばかりではなく,新しいMHC抗原を表現して,遮断抗体やサプレッサー細胞を誘導し,免疫的拒絶を起こりにくくしている.さらに,この免疫反応はトロホブラストの増殖因子を産生し,免疫的に胎盤形成を促進している可能性も示唆されている.
トロホブラストはMHC抗原が少ないので,免疫的拒絶反応を誘導しないばかりではなく,新しいMHC抗原を表現して,遮断抗体やサプレッサー細胞を誘導し,免疫的拒絶を起こりにくくしている.さらに,この免疫反応はトロホブラストの増殖因子を産生し,免疫的に胎盤形成を促進している可能性も示唆されている.
掲載誌情報