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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻5号

1990年05月発行

文献概要

TOPICS

カルニチン

著者: 山川満1

所属機関: 1東京大学第三外科

ページ範囲:P.591 - P.592

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 近年,外科領域における栄養管理において,脂肪乳剤は各種病態下で広く用いられるようになってきており,その代謝に重要な役割を果たすカルニチン(carnitine)の動態と意義が注目されている.そのような観点より,われわれの検討結果を中心に紹介したい1)
 脂肪乳剤の主成分であるトリグリセライドは,生体血液中ではリポ蛋白の形で存在し,リポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase)の作用により,遊離脂肪酸にまで水解される.その後,遊離脂肪酸はカルニチンと結合し,アシルカルニチンとしてミトコンドリア内に移送され,β-酸化を受けてエネルギー源となる2).したがって,カルニチンが組織中に不足すると脂肪乳剤の利用は障害される.カルニチンは筋,腎などの組織でリジン,メチオニンから前駆物質であるブチロベタインまで合成された後,肝へ運ばれて水酸化を受けてその生合成が完成する(β-hydroxytrimethyI aminobutyric acid).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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