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生体磁気計測
著者: 小谷誠1
所属機関: 1東京電機大学工学部
ページ範囲:P.594 - P.595
文献購入ページに移動 バイオマグネティズムに関する国際会議が平成元年8月に,1週間にわたりニューヨーク大学で開かれ,世界30か国ほどから500名程度の参加者があり,発表論文数も200件ほどだった.この会議の大きな特徴は,生体磁気計測装置面での著しい進歩だった.数十点で同時に計測が可能な37チャネルのDC・SQUID (超電導量子干渉素子)磁束計の開発が数社から発表されていた.ここでは,この国際会議を中心にして,生体磁気計測のトピックスについて述べる.
心電図や脳波が計測できるのは,体内に電圧の発生源があるからである.体内で電圧が発生すれば電流が流れるので,当然この電流によって磁界が発生しているはずである.そのため,磁界の計測も試みられたが,あまりに微弱だったので計測できなかった.例えば,心臓からの磁界,すなわち心磁図は地磁気の1000万分の1に相当する10ピコ・テスラ(pT)程度であり,脳磁界になると1~10億分の1に相当する数百フェムト・テスラ(fT)程度である.これら微弱磁気信号が計測できるようになつたのは,20年ほど前に,超電導技術を応用したSQUID磁束計が開発されたからである.
心電図や脳波が計測できるのは,体内に電圧の発生源があるからである.体内で電圧が発生すれば電流が流れるので,当然この電流によって磁界が発生しているはずである.そのため,磁界の計測も試みられたが,あまりに微弱だったので計測できなかった.例えば,心臓からの磁界,すなわち心磁図は地磁気の1000万分の1に相当する10ピコ・テスラ(pT)程度であり,脳磁界になると1~10億分の1に相当する数百フェムト・テスラ(fT)程度である.これら微弱磁気信号が計測できるようになつたのは,20年ほど前に,超電導技術を応用したSQUID磁束計が開発されたからである.
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