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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻6号

1990年06月発行

文献概要

今月の主題 フローサイトメトリー 病態解説

自己免疫疾患におけるリンパ球サブセットの分析

著者: 江口勝美1 植木幸孝1 長瀧重信1

所属機関: 1長崎大学医学部第一内科学教室

ページ範囲:P.685 - P.691

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 バセドウ病,慢性関節リウマチと全身性エリテマトーデスの末梢血リンパ球サブセットはCD4/CD8細胞比でみて症例によりheterogenousであった.疾患の活動期には活性化や免疫記憶T細胞が増加しており,臨床経過に従って変動する.バセドウ病の甲状腺組織や慢性関節リウマチの滑膜には著明な単核球浸潤がみられ,活性化T細胞や免疫記憶T細胞であるHLA―DR, CD25やCD26抗原陽性T細胞が増加している.CD4細胞では,virgin CD4CD45RA細胞は少なく,memory CD4CDw29細胞が主として浸潤しており,helper T細胞としての機能を発揮していることが示唆される.B細胞ではresting B細胞から形質細胞への種々の分化,成熟過程の細胞が検出される.浸潤単核球は細胞接着分子(CD2, LFA-1, VLA-1)を発現し,上皮細胞や血管内皮細胞と相互に作用して,免疫応答の永続化に関与していると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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