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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻6号

1990年06月発行

文献概要

今月の主題 フローサイトメトリー 話題

核内DNA量および表面抗原の同時測定

著者: 加藤栄史1 髙本滋1

所属機関: 1東京都立駒込病院輸血科

ページ範囲:P.715 - P.717

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1.はじめに
 近年,フローサイトメトリー(FCM)は細胞の表面抗原やDNA量の分析に広く用いられている.表面抗原の検索はリンパ球亜群の分析に,また造血器腫瘍ではCALLAなどの"腫瘍関連抗原"の検出に非常に有用となる.一方,DNA量の検索は細胞回転の分析および腫瘍特異的マーカーであるDNA異数体(DNA aneuploidy;DA)の検出1)に有用である.もし細胞表面抗原とDNA量の同時測定が可能となれば腫瘍細胞の同定,検出率の向上だけでなく,腫瘍細胞の生理学的特徴の検索,すなわちCALLA陽性細胞群のみの細胞回転の分析や,逆にDAを示す細胞のみの表面抗原の分析などに非常に役だつ2)
 FCMによる細胞表面抗原およびDNA量の同時測定に関しては,これまでリンパ球を対象とした報告が多少見られるが2~4),非特異反応の出現などの問題点が指摘されており,われわれも一部4)追試を行ったが満足な結果は得られなかった.本稿ではこれら2つの同時測定に関し,われわれの基礎的実験結果を中心に,臨床応用も含めて話を進める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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