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文献概要
1.血管内皮細胞の特異的性質
血管内皮細胞は,他の上皮性,間質性細胞などのそれとは異なった特殊な機能を有している.それは,血管内皮細胞が血管内を流れる血液と直に接触する唯一の細胞であることに起因している.そのため,血管内皮細胞上には特異なレセプターが存在し,それらが内皮細胞の特異な機能と結びついている.例えば内皮細胞は,トロンボモジュリン,ヘパリン様グリコサミノグリカンなどを表面に有し,ロンビン,アンチトロンビンⅢなど血中凝固関連因子のレセプターとなり,内皮細胞表面上での凝固反応を阻止している.これは,血管内面において血液の流動性を維持するのに役だっている.一方,流血中のリボ蛋白やインスリンなどのホルモンに関しては,その表面上のレセプターで捕捉した後,内皮細胞内ではそれらを処理し,あるいはシグナル伝達をすることなく単に細胞内を通過させるだけで,これらの物質の真の標的臓器である血管外の実質細胞に輸送する.さらに,内皮細胞自身が,ヒスタミン,アデノシン,プロスタグランジン,カテコラミンなど,種々の生理活性物質の標的細胞となり,内皮細胞由来の血管収縮,弛緩物質の産生,遊出が制御される.
血管内皮細胞は,他の上皮性,間質性細胞などのそれとは異なった特殊な機能を有している.それは,血管内皮細胞が血管内を流れる血液と直に接触する唯一の細胞であることに起因している.そのため,血管内皮細胞上には特異なレセプターが存在し,それらが内皮細胞の特異な機能と結びついている.例えば内皮細胞は,トロンボモジュリン,ヘパリン様グリコサミノグリカンなどを表面に有し,ロンビン,アンチトロンビンⅢなど血中凝固関連因子のレセプターとなり,内皮細胞表面上での凝固反応を阻止している.これは,血管内面において血液の流動性を維持するのに役だっている.一方,流血中のリボ蛋白やインスリンなどのホルモンに関しては,その表面上のレセプターで捕捉した後,内皮細胞内ではそれらを処理し,あるいはシグナル伝達をすることなく単に細胞内を通過させるだけで,これらの物質の真の標的臓器である血管外の実質細胞に輸送する.さらに,内皮細胞自身が,ヒスタミン,アデノシン,プロスタグランジン,カテコラミンなど,種々の生理活性物質の標的細胞となり,内皮細胞由来の血管収縮,弛緩物質の産生,遊出が制御される.
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