TOPICS
心拍数応答型ペースメーカー
著者:
山分規義1
桜田春水2
所属機関:
1国立立川病院循環器科
2都立広尾病院循環器科
ページ範囲:P.986 - P.987
文献購入ページに移動
近年ペースメーカーの進歩はめざましく,徐脈性不整脈ばかりでなく,頻脈性不整脈の治療にも使用され,その適応も拡大されてきている.従来はペースメーカーは救命を目的としたが,その後,quality of lifeの向上を目指し,生理的ペーシングとして心房心室同期型ペースメーカーが出現し,最近では心拍数応答型ペースメーカー(rateresponsive pacemaker,以下RR-PM)が話題を集めている.心拍出量を増加させる要因として,心拍数の増加,心房心室同期による前負荷の増大,心収縮力の増大が上げられるが,心拍数増加の影響がもっとも大であるためRR-PMが開発,臨床応用されるにいたった.心拍数を決定する生理的指標として,体動,呼吸数,QT時間,体温,静脈血酸素飽和度,血液pH,右心室圧,右心室収縮性などが上げられるが,本稿ではわが国ですでに臨床応用されている体動,呼吸数,QT時間,体温を感知するRR-PMについて述べる.