文献詳細
文献概要
TOPICS
粘液線毛輸送系
著者: 梅木茂宣1
所属機関: 1川崎医科大学呼吸器内科
ページ範囲:P.987 - P.988
文献購入ページに移動 粘液線毛輸送系は,分泌腺および粘液細胞による漿液・粘液分泌系と線毛細胞による線毛輸送系の2つの大きな機能系により構成されていて,生体防御機能などの生体の恒常性維持(ホメオスターシス)にそれぞれ重要な働きをしている1・2)。生体の中で粘液線毛輸送系と密接に関係した線毛細胞は,角膜内側,前庭器官,嗅覚細胞,中耳・耳管,鼻涙管,鼻腔,副鼻腔,気道系,卵管,副精巣管などに認められる2).
線毛細胞の線毛は,9対の周辺微小管と2本の中心微小管の9+2構造と呼ばれる微小管構築により構成されている(図1)3).各副線維Aにはそれぞれ隣接する副線維Bに向かってATPaseに富む一対の鍵型構造物の内・外力肢が付着し,これらが伸長および短縮することにより周辺微小管に相互のすべり現象が起こり線毛が屈曲運動する(sliding theory).線毛の正常運動のためにはこのような線毛の正常の超微構造が必要である.
線毛細胞の線毛は,9対の周辺微小管と2本の中心微小管の9+2構造と呼ばれる微小管構築により構成されている(図1)3).各副線維Aにはそれぞれ隣接する副線維Bに向かってATPaseに富む一対の鍵型構造物の内・外力肢が付着し,これらが伸長および短縮することにより周辺微小管に相互のすべり現象が起こり線毛が屈曲運動する(sliding theory).線毛の正常運動のためにはこのような線毛の正常の超微構造が必要である.
掲載誌情報