文献詳細
今月の主題 膵疾患と臨床検査
解説
文献概要
トリプシンは,分子量約23,000前後の酵素蛋白質であり,膵臓で前駆体・トリプシノーゲンとして作られる.トリプシンは,基質ペプチドや蛋白質のリジン,またはアルギニン部分で特異的に分解する酵素活性を有するため,食物を消化分解するばかりでなく,トリプシノーゲン自身をも含み,種々の酵素前駆体を活性化する作用を持つ.臨床的には,急性膵炎の際には血中へ逸脱するトリプシンが増加することから,血中濃度が測定される.
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