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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻10号

1991年10月発行

文献概要

今月の主題 膵疾患と臨床検査 解説

腫瘍マーカーの組織分布・2 DU-PAN-2

著者: 里村吉威1 澤武紀雄1

所属機関: 1金沢大学がん研究所内科

ページ範囲:P.1088 - P.1089

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 DU-PAN-2はMetzgerら1)により膵腺癌細胞を免疫原として作製された単クローン抗体が認識する糖鎖抗原で,多様な分子量を有するムチン様糖蛋白として体液中に存在すると考えられている.本抗原はシアリダーゼ処理により失活するものの,他の糖あるいは蛋白分解酵素処理では抗体結合性が失われないことから,そのエピトープにはシアル酸が重要な位置を占めていると推察されている.また,本抗原は加熱処理や凍結,さらにホルマリン固定などにも安定で,新鮮凍結切片やパラフィン切片における抗原の検出が可能である.なお,本抗原を認識するマウス単クローン抗体のアイソタイプはIgMに属する.臨床的には膵・胆道癌を中心とした消化器系の腫瘍マーカーとして有用である.
 1.非癌膵組織におけるDU回PAN-2の分布

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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