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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻10号

1991年10月発行

文献概要

今月の主題 膵疾患と臨床検査 話題

膵島アミロイド蛋白

著者: 光川知宏1 年森啓隆1 松倉茂1

所属機関: 1宮崎医科大学第三内科学教室

ページ範囲:P.1096 - P.1097

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1.はじめに
 膵島のアミロイド沈着はインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)で高率に認められる病理学的所見である.そのほか膵島アミロイドは非糖尿病高齢者やインスリノーマにおいても認められる.長年膵島アミロイドの原因蛋白は不明であったが,1986年インスリノーマの膵島アミロイドから分子量約4,000のペプチドが分離され,1987年このペプチドの全構造が明らかとなり,islet amyloidpolypeptide(IAPP)1)またはamylin2)と命名された.IAPPは37個のアミノ酸残基より成り,calcitonin gene-related peptide(CGRP)と46%の相同性を有している.現在IAPPは膵ラ島B細胞から分泌される膵ホルモンとして,糖代謝やNIDDMの成因や進展に関与する可能性が示唆されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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