文献詳細
文献概要
TOPICS
Goodpasture抗原
著者: 吉岡加寿夫1
所属機関: 1近畿大学医学部小児科
ページ範囲:P.1108 - P.1110
文献購入ページに移動IV型コラーゲンはGBMの主要な構成成分であり,2本のα1鎖と1本のα2鎖の計3本から構成されている.IV型コラーゲンα鎖は3つのドメインに分けられ,N末端側から7Sドメイン, THドメイン(triple helical domain),そしてC末端のNC1ドメイン(globular domain)と呼ばれる.NC1ドメインはコラーゲン特有のアミノ酸配列,すなわち,3つのアミノ酸ごとのグリシンの繰り返し配列(Gly-X-Y)を持たないので,細菌性コラゲナーゼによる消化に抵抗性を示す.したがって,ヒトやウシのGBMのコラゲナーゼ消化によって,NC1を得ることができる.こうして得られたNC1は,隣り合う2つの三重らせん構造が結合してできた6量体を形成しており,SDS電気泳動などの変性剤の存在下でモノマー(MW24~28kDa)とダイマー(40~50kDa)とに解離する(図1).NC1のモノマーの分子量や荷電の分析から,GBM中のNC1には少なくとも5種類の異なったものがあることが最近明らかになった4,5).それは,以前からIV型コラーゲンの基本的なα鎖と考えられていたα1とα2鎖に由来するものと,新たにその存在が認められたα3,α4,α5鎖に由来するものとである.これらの鎖のうち,認4鎖以外は,すでにDNAシークエンスが決定されている.α1,α2鎖は古典的(classical)α鎖と,また残りのα3,α4,α5は新しい(novel)α鎖と称されている.
掲載誌情報