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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 I.免疫機能―最近の進歩 3.免疫担当細胞の分化

1)B細胞の分化と表面抗原

著者: 王継揚1 渡邊武1

所属機関: 1九州大学生体防御医学研究所感染防御部門

ページ範囲:P.30 - P.34

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はじめに
 B細胞が骨髄幹細胞から分化する際,決まった順序で免疫グロブリン(Ig)遺伝子の再構成が生じる.すなわち,まずH鎖のDとJの再構成が起こり,続いてH鎖のVからDJへの再構成が生じて,プレB細胞となる.さらに,L鎖のVとJの再構成が生じ,細胞表面にIgMを発現するB細胞となる.この後,抗原刺激などによって,活性化され,最終的に抗体を分泌するプラズマ細胞へ分化する(図14).
 したがって,B細胞の分化過程はIg遺伝子の再構成の過程でもある.限りあるV,D,J遺伝子から,再構成を通じて膨大な種類の抗体を産生し,多種多様な抗原に対応することができるようになる.未熟なB細胞の分化は,種々のサイトカインによる刺激や骨髄ストローマ細胞との相互作用によって調節され,機能的な再構成が生じた細胞のみが選択され,成熟する.また,1つのB細胞が一種類の抗体だけを産生するように,Ig遺伝子の2つの対立遺伝子のうち1つだけが発現するように,いわゆるallelic exclusionが起こる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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