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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 II.アレルギー疾患 3.アレルギー疾患と検査 3)皮膚アレルギー

(3)接触皮膚炎

著者: 中山秀夫1

所属機関: 1東京都済生会中央病院皮膚科

ページ範囲:P.108 - P.110

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■病態,病像
 接触皮膚炎には,大きく分けて刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種がある.前者は表皮細胞に毒性のある化学物質が付着したために起こる組織障害で,毒性が強ければ水疱,壊死や強度の発赤,腫脹,びらんなどを生ずる.灯油や強酸,強アルカリ,化学兵器などの接触でこれが起こり,ふつうchemicalburnと呼ばれる.
 一方,毒性の弱い化学物質が数日くらい皮膚についても,ふつうなんの障害も起こらないが,これが何週間も続くと,皮膚は発赤し,落屑,表皮肥厚が起こって,荒れた皮膚になる.これは台所洗剤や工業用洗剤のような界面活性剤を連用したときとか,化粧品中のプロピレン・グリコール,1,3-ブチレン・グリコールなどが高濃度で含まれているときに起こりやすい.このタイプは慢性刺激性接触皮膚炎と呼ばれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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