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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 2.自己免疫疾患の検査 2)リンパ球

(3)NK細胞活性の検査

著者: 内田温士1

所属機関: 1京都大学放射線生物研究センター晩発効果研究部門

ページ範囲:P.160 - P.161

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■NK細胞の役割
 NK (ナチュラルキラー,natural killer)細胞は,1970年代半ばに腫瘍細胞に対する細胞傷害反応を研究している過程で発見された.当時研究者は,自己あるいは同一組織型の腫瘍に対する特異的細胞傷害反応の発見を期待していた.実際,ある種の癌患者および発癌性ウイルスで誘導した担癌動物でそのような特異反応が観察された.しかしながら,特異抗原で免疫されていない正常の動物やヒトのリンパ系細胞もまた,ある細胞や株化腫瘍細胞を傷害することが判明した.この細胞傷害活性は自然に備わっているものと考えられ,この現象に関与するエフェクター細胞はNK細胞と命名された.
 このようにNK細胞は細胞傷害反応によって検出されており,この細胞の定義は主として機能的なものであった.しかし最近の細胞生物学,分子生物学を含む広範な研究により,1988年に開かれた第5回国際NKワークショップで,NK細胞はT細胞レセプターのα,β,γ,δ鎖の再構成がなく,表面形質がCD3CD16またはCD3CD16のLGL (大顆粒リンパ球)と定義された.LGLとは形態学的には大型で,細胞質が広く,アズール顆粒を含むリンパ球である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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