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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 2.自己免疫疾患の検査 4)補体系

(2)免疫複合体

著者: 𠮷野谷定美1

所属機関: 1東京大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.178 - P.180

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■免疫複合体を検査すべき病態
 アレルギー,自己免疫疾患を疑った場合,客観的データとして免疫異常を表わす検査,炎症の程度を表わす検査,組織障害を表わす検査の3つの観点から初期の診断的アプローチが始まると予想される.免疫複合体の検査は,このうち免疫異常を表わす検査として位置づけられ,免疫複合体陽性であればその患者に免疫異常が存在することの証拠となる.
 ここで強調したいのは,流血中の免疫複合体が必ずしも患者の主たる病変を生じる原因物質であるとは限らないという点である.ちょうど,自己抗体の検査と似ていると思うが,自己抗体は患者に自己免疫機序があることを表わしており,免疫複合体は自己免疫機序に限らず免疫機構全体の異常を表わしていると考えられる.例えば,肝臓や網内系による異物処理能に問題が生じた場合でも免疫複合体は高値となるし,まだよくわかっていない免疫機構の異常で免疫複合体が高値であると考えられるケースも存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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