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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 2.自己免疫疾患の検査 5)自己抗体

(5)抗ENA抗体

著者: 宮地清光1 鷹野佐恵子2 田川まり子2

所属機関: 1慶宮内科医院,保健科学研究所自己免疫血清センター 2保健科学研究所自己免疫血清センター

ページ範囲:P.193 - P.195

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はじめに
 ENAは,extractable nuclear antigenの略で,生理食塩水や生食加リン酸緩衝液(PBS)に可溶な核蛋白物質である.
 1972年Sharpらは,SLE,進行性全身性硬化症(PSS),多発筋炎/皮膚筋炎の3つの疾患の臨床症状を持ち,抗ENA抗体が陽性の例を混合性結合組織病(MCTD)と名付け報告した1,2).抗ENA抗体は,ENAで感作したヒツジ赤血球を用いた受身感作血球凝集反応(PHA)で検索された.さらにRNase処理ENAを用いたPHA法で抗体価が有意に低下,または陰性化するRNase感受性ENA抗体と,低下しないRNase抵抗性ENA抗体を見いだしていた.後に二重免疫拡散(DID)法にてRNase感受性ENA抗体は抗nRNP抗体,さらに最近ではU1RNP抗体とも呼ばれ,RNase抵抗性ENA抗体は,抗Sm抗体とほぼ例外なく一致した.ほかにspeckled型抗核抗体(ANA)を示し,ENAに対し沈降抗体を示す抗SS-B,抗Ki抗体なども広義に抗ENA抗体と呼ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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