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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 2.自己免疫疾患の検査 5)自己抗体

(16)抗LKM抗体

著者: 宮地清光1 樋渡恒憲2

所属機関: 1慶宮内科医院,保健科学研究所自己免疫血清センター 2保健科学研究所技術開発センター

ページ範囲:P.220 - P.222

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はじめに
 1974年Rizzettoらは慢性活動性肝炎(chronicactive hepatitis)の患者血清中に,抗ミトコンドリア抗体(antimitochondrial antibody;AMA)と異なる自己抗体を発見し,その対応抗原の存在様式より抗肝腎ミクロソーム(liver kidney microsome;LKM)抗体という名称をつけ報告した1).日本ではなぜかその報告はなかったが,当研究所では抗LKM抗体とは別のミクロソーム系の2つの抗体に注目していた2).そこで鑑別のためHomberg教授より同抗体を入手し,1989年から1990年9月まで6例の抗LKM抗体を同定した.これらの症例は,AMA陽性と判定され原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis)が疑われたものもあった.
 本抗体の頻度は,AMAの3%以下と思われるが,抗核抗体(antinuclear antibody;ANA),抗平滑筋抗体(antismooth muscle antibody;ASMA)とは共存しないことから,自己免疫性慢性活動性肝炎のtype2を形成していると思われ重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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