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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 2.自己免疫疾患の検査 5)自己抗体

(30)抗インスリンレセプター抗体

著者: 荷見澄子1

所属機関: 1東京女子医科大学糖尿病センター

ページ範囲:P.251 - P.253

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■検査意義と目的
 一般にインスリン抵抗性は,肥満やインスリン非依存型糖尿病において認められる病態である.これらの場合と,非常に著明な高インスリン血症を示し,かつ耐糖能異常を伴うような症例に出会った場合に鑑別すべき疾患の1つとして,B型インスリン抵抗症があげられる.これは,1975年Flier1)によって報告された特異な糖尿病である.その特徴は,インスリン受容体自体に異常は認めないが,血中にインスリン受容体に対する自己抗体が存在することである.すなわち,インスリン受容体のインスリン結合部位がインスリン受容体自己抗体によって阻害され,インスリンがその生物活性を発揮できないために結果として著しいインスリン抵抗性を示す疾患である.この疾患の臨床的特徴は,特異的な皮膚症状acanthosis nigricansのほか,自己免疫疾患としての病像を備えたものである.
 このB型インスリン抵抗症と鑑別すべき疾患としては,A型またはC型インスリン抵抗症,多彩な先天異常を伴うレプリコニズムやRabson-Mendenhall症候群,脂肪萎縮性糖尿病などがあげられる.これらとB型インスリン抵抗症の鑑別点として最も重要なポイントは,抗インスリン受容体抗体の存在の有無である.以下に,その測定法について簡単にまとめてみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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