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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 2.自己免疫疾患の検査 5)自己抗体

(32)抗内因子抗体

著者: 増田哲哉1 河北誠1

所属機関: 1熊本大学医学部第2内科

ページ範囲:P.254 - P.256

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はじめに
 ビタミンB12(B12)欠乏によって発生する悪性貧血は,巨赤芽球性貧血のなかで最も代表的貧血である.萎縮性胃炎,胃粘膜萎縮を基本的病変とし,胃粘膜の壁細胞の減少により内因子(intrinsic factor;IF)分泌障害を起こし,その結果,回腸からのB12吸収障害を招き体内B12貯蔵が枯渇して発生する.
 抗内因子抗体(intrinsic factor antibody;IFA)は内因子に対する抗体であり,Schwartz1)により1958年に報告され,その後これが自己抗体であることが明らかにされた,IFAは悪性貧血にほぼ特異的に認められる自己免疫現象とされるが,上述のように悪性貧血の胃粘膜が高度の萎縮性病変を示すことから,本抗体は萎縮性病変の過程で終末期に出現するものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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