icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 3.自己免疫疾患と検査

10)自己免疫性溶血性貧血

著者: 野村武夫1

所属機関: 1日本医科大学第三内科

ページ範囲:P.290 - P.294

文献購入ページに移動
はじめに
 溶血,つまり赤血球の血管内寿命が短縮したため生じた貧血を総称して溶血性貧血と呼ぶ.これには多数の疾患が含まれ,溶血が赤血球自身の欠陥に基づく内因性溶血性貧血と,環境異常のため赤血球が傷害されて発生する外因性溶血性貧血に大別される.自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia;AIHA)は後者に属する代表的疾患のひとつで,赤血球の崩壊に抗赤血球自己抗体が関与する.
 わが国の調査では,AIHAの有病者数は340~1,200名(人口100万対有病率3.1~10.8),年間発症患者数は180~640名(人口100万対年間発症率1.6~5.8)と推測されている.かなり稀な疾患ということになるが,それでもわが国では内因性および外因性の諸病型のうち最も頻度が高く,溶血性貧血患者総数の約25%を占める1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?