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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻12号

1991年11月発行

文献概要

特集 アレルギーと自己免疫 III.自己免疫疾患 3.自己免疫疾患と検査

20)自己免疫性肝炎

著者: 池田有成1 光井洋1 戸田剛太郎2

所属機関: 1東京大学医学部第一内科 2東京慈恵会医科大学第一内科

ページ範囲:P.320 - P.322

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はじめに
 1956年,MackayらはSLE様症状を示し,LE細胞現象陽性の活動性慢性肝炎をルポイド肝炎と呼び,SLEでの肝病変(通常軽微である)とは区別した.その後,LE細胞現象は一過性に出現する症例もあることから,抗核抗体などの自己抗体の陽性に注目し,ルポイド肝炎を含めて自己免疫性肝炎とした.その肝障害の発症には自己免疫機序が関係していると考えられており,ステロイドが有効である.また,ウイルス性慢性肝炎とは異なり,インターフェロンは無効で,投与により悪化する可能性もあることから,本症を正しく診断することは重要である.最近では,抗核抗体陰性の自己免疫性肝炎の存在やC型肝炎ウイルス(HCV)との関連が注目されている.また,syncytial giant-cellhepatitisとの鑑別も重要となってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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