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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻3号

1991年03月発行

文献概要

今月の主題 心・血管系ホルモン 測定法・病態生理

エンドセリン測定法の病態生理学的意義

著者: 江森俊明1 平田結喜緒1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部内科学第二教室

ページ範囲:P.248 - P.251

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 主に血管内皮細胞において産生・分泌されるエンドセリンー1(ET-1)は,強力な血管収縮性ペプチドである.循環血液中に微量に存在し,生理的には血管トーヌスの調節に局所的に関与していると考えられる.またいくつかの病態(血管攣縮,高血圧,急性心筋梗塞,急性腎不全,血管障害など)では血中ET-1濃度の上昇が認められ,病態の進展にかかわっている可能性が強い.ET-1様免疫活性(LI)は尿中にも存在するが,腎尿細管から分泌されている可能性がある.腎疾患において尿中ET-1―LI排泄は増加し,腎障害の指標となりうる可能性がある.今後血中および尿中ET-1―LIの病態生理学的役割の解明が待たれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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