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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻3号

1991年03月発行

研究

妊娠中毒症における過酸化脂質ならびにビタミンEの動態について

著者: 飯岡秀晃1 赤田忍1 森山郁子1 久永浩靖1 南渕芳1 森本圭子1 石原由紀1 一條元彦1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.295 - P.297

文献概要

 過酸化脂質であるハイドロパーオキサイドとメチレンブルーの誘導体がヘモグロビンを触媒として反応し,メチレンブルーが等モル生成する現象を利用した新しい測定法(デタミナーLPO)を用いて,妊娠中毒症患者における過酸化脂質の動態を検討した.また併せて,活性酸素による過酸化脂質生成防御に寄与しているビタミンEの体内動態についても妊娠中毒症患者での変化につき検討し,以下の成績を得た.
 ①正常非妊娠婦人ならびに正常妊娠(32~34週),重症妊娠中毒症妊婦(32~34週)別におのおの20例の平均値ならびにSDを求めた.②血漿中の過酸化脂質の濃度(nmol/ml)は非妊娠婦人では,0.89±0.21で,また,正常妊娠婦人では,2.51±0.52で,重症妊娠中毒症妊婦では4.10±0.72であった.③血漿中のビタミンEの濃度(μg/ml)は非妊娠婦人では,6.65±0.98で,また,正常妊娠婦人では,14.5±2.9で,重症妊娠中毒症妊婦では12.6±1.2であった.赤血球中ビタミンE濃度(μg/ml packed cell)は,非妊娠婦人では,3,55±0.25で,また,正常妊娠婦人では,2.56±0.34で,重症妊娠中毒症妊婦では1.96±0.32であった.また,血小板中ビタミンE濃度(μg/gprotein)は,非妊娠婦人では99±20で,また,正常妊娠婦人では,232±24で,重症妊娠中毒症妊婦では205±32であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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