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文献概要
赤血球,血色素,ヘマトクリットにおける精度管理法について検討した.本法は患者検体の赤血球恒数値を用いて精度管理を行うもので,基本的にはBull法に改良を加えたものである.本法は正常値域内にある一定範囲内の血色素濃度の検体のみを用い,標準偏差を考慮にいれた管理限界値を使用し,つねに一定の基準値を基として算出したため,測定による変動以外の不確定な変動因子を排除し,より精度の高い方法となった.同一の基準値を用いることにより,精度管理調査用血球を用いなくとも各施設問の比較調査が行え,内部精度管理のみならず外部精度管理にも用いることができる.本法と精度管理用血球を併用すれば両者の欠点を補い,値の変化に迅速に対応でき,より正確性の高い精度管理が可能である.
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