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文献概要
今月の主題 サイトカインと造血因子 総説
造血因子と造血能
著者: 仁保喜之1
所属機関: 1九州大学医学部内科学第一教室
ページ範囲:P.453 - P.456
文献購入ページに移動 いくつかの造血因子の存在は以前から想定はされていたものの,実在が確認されたのはつい最近のことであり,分子生物学の発達,なかでも遺伝子工学の発展に負うところが多い.
造血は主に骨髄で行われる.骨髄中の造血幹細胞から分化した各細胞系の前駆細胞を造血因子が刺激し,さらに成熟細胞の方向へ分化,増殖させる.顆粒球・マクロファージ系前駆細胞に働くCSF,赤芽球系前駆細胞に働くエリスロポエチンの両者がもっともよく知られている造血因子である.遺伝子工学を応用してリコンビナント因子が生産され,すでに臨床的に投与される時代となった.巨核芽球・血小板系に働くトロンボポエチンに関しては,IL-6がこれに当たるものか否か研究が進められているが,まだ,臨床応用にまでは至っていない.
造血は主に骨髄で行われる.骨髄中の造血幹細胞から分化した各細胞系の前駆細胞を造血因子が刺激し,さらに成熟細胞の方向へ分化,増殖させる.顆粒球・マクロファージ系前駆細胞に働くCSF,赤芽球系前駆細胞に働くエリスロポエチンの両者がもっともよく知られている造血因子である.遺伝子工学を応用してリコンビナント因子が生産され,すでに臨床的に投与される時代となった.巨核芽球・血小板系に働くトロンボポエチンに関しては,IL-6がこれに当たるものか否か研究が進められているが,まだ,臨床応用にまでは至っていない.
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