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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻5号

1991年05月発行

文献概要

今月の主題 サイトカインと造血因子 技術解説

インターロイキン3(IL-3)

著者: 林田一洋1 仁保喜之1

所属機関: 1九州大学医学部内科学第一教室

ページ範囲:P.470 - P.473

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 IL-3は比較的早期の幹細胞に作用し広い範囲の血液細胞の分化誘導に働くため,造血因子の中ではその作用が多岐に及ぶのが特徴的でmulti-CSFとして研究されてきた物質である.IL-3は刺激を受けたT細胞からのみ分泌され,支持細胞からは分泌されないことから,恒常的な造血よりも炎症などに伴う二次的な造血に働いていると考えられている.ヒトにおいてはIL-3とGM-CSFの両方に反応する細胞の場合,この2つのサイトカインの作用は重複するというマウスでは認められない特徴がある.したがってIL-3の生理的な作用についてはGM-CSFとの関連を考慮して考える必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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