臨床検査35巻5号

1991年05月発行

今月の主題 サイトカインと造血因子 技術解説

インターフェロン（IFN）

著者： 喜多正和¹ 今西二郎¹

所属機関： ¹京都府立医科大学医学部微生物学教室

ページ範囲：P.485 - P.488

　インターフェロン（IFN）は，基礎的研究および臨床応用のもっとも進んだサイトカインの1つである．抗原構造の違いから，α，β，γ型の3種類に分類されるが，α型には16種以上のサブタイプが存在する．α型とβ型の性状には共通点が多いが，γ型は遺伝子学的にもα，β型とは異なっている．IFN測定法として，バイオアッセイ法とRIA法あるいはELISA法があるが，おのおの長所と短所があり，研究の言的により測定法を選択する必要がある．各種疾患における内在性IFNおよびIFN産生能に関する研究結果から，IFNは生体防御機構あるいは病気の成因や発症機序において重要な因子と考えられ，今後，臨床検査においても重要な検査項目になる可能性がある．