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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻5号

1991年05月発行

文献概要

今月の主題 サイトカインと造血因子 技術解説

コロニー刺激因子(CSF)

著者: 岡部哲郎1 朴雲峰1 桔梗伸明1

所属機関: 1東京大学医学部第三内科学教室

ページ範囲:P.489 - P.493

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 顆粒球やマクロファージは,感染防御の最前線で細菌の侵入を防ぐという大きな役割を果たしている.コロニー刺激因子(CSF)と呼ばれる液性因子がその産生を調節している.CSFにはmulti-CSF,GM-CSF,G-CSF,M-CSFと4種類あり,それぞれG (granulocyte),M (macrophage)または両者の増殖や機能を調節している.これらのCSFは細菌やウイルスなどの感染症の病巣が形成されていく過程で,好中球やマクロファージを病巣へ動員したり,活性化して細菌を殺させたり,感染に対する生体反応を制御していると考えられる.また,感染の後期には特異的な免疫反応によるT―リンホカインとして活性化T細胞より産生され,その免疫反応をコントロールしている.またさまざまな炎症性疾患でも同様に病巣形成や免疫反応に関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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