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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻5号

1991年05月発行

文献概要

今月の主題 サイトカインと造血因子 技術解説

肝細胞増殖因子(HGF)

著者: 坪内博仁1 弘野修一1 上村章1 二井谷好行2

所属機関: 1鹿児島大学医学部内科学第二教室 2大塚アッセイ研究所

ページ範囲:P.499 - P.503

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 肝臓は再生能力の旺盛な臓器であり,肝再生の機序については古くより液性因子の存在が指摘されていたが,長い間その本体は解明されなかった.最近,劇症肝炎患者血漿やラット血小板よりあいついで精製された肝細胞増殖因子(HGF)は分子量約83000の蛋白質であり,生理的な肝再生因子であると思われる.ヒトHGF (hHGF)の測定系には初代培養ラット肝細胞を用いたバイオアッセイと酵素標識免疫測定法(ELISA)があるが,その特異性,感度,簡便性において後者が著しく優れている.hHGFは種々の肝疾患で血中に増加し,特に広範な肝細胞の壊死を伴い予後不良な疾患である劇症肝炎の早期診断や予後の推測に有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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