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平滑筋の幼若化と動脈硬化の発生
著者: 永井良三1
所属機関: 1東京大学第三内科
ページ範囲:P.766 - P.767
文献購入ページに移動1.はじめに
平滑筋の増殖は動脈硬化発生と密接な関係にある.培養条件下で増殖する平滑筋細胞は収縮フィラメントが消失し,フリーリボゾームや粗面小胞体などの蛋白合成に必要な細胞内小器官が増加する.これは収縮型から合成型への形質変換として知られている.このような形質変換は細胞培養時だけでなく,動脈硬化巣で増殖中の平滑筋細胞でも認められる.したがって収縮型と合成型の平滑筋細胞を区別することができるならば,それは動脈硬化の成因解明だけでなく,血管障害の新しい診断法としても有用な手法となる.われわれは平滑筋の細胞分化を研究する過程で2つの形質を特異的に識別する分子マーカーを開発した.
平滑筋の増殖は動脈硬化発生と密接な関係にある.培養条件下で増殖する平滑筋細胞は収縮フィラメントが消失し,フリーリボゾームや粗面小胞体などの蛋白合成に必要な細胞内小器官が増加する.これは収縮型から合成型への形質変換として知られている.このような形質変換は細胞培養時だけでなく,動脈硬化巣で増殖中の平滑筋細胞でも認められる.したがって収縮型と合成型の平滑筋細胞を区別することができるならば,それは動脈硬化の成因解明だけでなく,血管障害の新しい診断法としても有用な手法となる.われわれは平滑筋の細胞分化を研究する過程で2つの形質を特異的に識別する分子マーカーを開発した.
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