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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻8号

1991年08月発行

文献概要

今月の主題 真菌症 話題

酸性プロテアーゼを指標にしたC.albicansの検査

著者: 𠮷野谷定美1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.854 - P.855

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1.C. albicansが分泌する酸性プロテアーゼの性質
 C. albicansは生育環境に窒素源が欠乏すると蛋白分解酵素を分泌する.ヒト皮膚の角質層や爪によく生育するのは,環境が弱酸性であり,C. albicansの分泌する酵素が酸性で働く酸性プロテアーゼであるからである.この酸性プロテアーゼを人工培地で産生させ分泌させるためには,YCB-BSA(10%)寒天培地が適している.YCB-BSA(10%)寒天培地に接種されたC. albicansからその分泌パターンにより5型の酸性プロテアーゼが観察され,このうち,病原性のもっとも強い種類の酸性プロテアーゼは接種後72時間を経て分泌が始まるタイプのものである.このタイプの酸性プロテアーゼを分離精製すると,分子量44,000,至適pH 3.3,pH 7.2以上のアルカリ環境では速やかに変性する酵素であることがわかった.この酸性プロテアーゼを分離精製し,以後の研究に使用した.特異抗体は,この酵素をウサギに免疫し抗血清を作製し,アフィニティーカラムの操作により作製した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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