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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻8号

1991年08月発行

文献概要

今月の主題 真菌症 話題

真菌検査の自動化

著者: 山根誠久1

所属機関: 1熊本大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.858 - P.859

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 いわゆる自動細菌検査装置が本邦へ導入されてから20年近く経過するが,真菌検査の自動化という視点からすると,この間大きな変化はなく,同定される菌種のデータ・ベース拡充にとどまる.菌接種後,オフ・ラインでの培養(システムにオン・ラインで接続する培養・判定装置ではなく,別途用意された培養器での培養),自動読み取り,自動判定(各反応の陽性/陰性判定),コンピュータに組み込まれたデータ・ベースを用いた菌種の決定といった操作で検査されている.一般細菌のように,オン・ライン培養,薬剤感受性試験とのマッチングといった自動化された検査とは程遠く,その機能も同定検査にのみ限定され,半自動化という現況にある.その理由には,分離される酵母様真菌のほとんど,多くの施設で60~90%が発芽管(germ tube)陽性のCandida albicansであり,鑑別同定が求められる酵母様真菌の頻度が少ないこと,また適応となる抗真菌剤の種類が限られ,手技上の困難さから標準化された薬剤感受性試験が確立されていないこと,といった点が挙げられよう1).ここでは,酵母様真菌同定機能をもつ2つの自動化機器を紹介していく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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